解決事例
(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)
ご主人をなくされたA子さんが相続の相談で来所されました。
相続人はA子さん、高校生のB君、中学生のC君の3人。
亡くなられたご主人は遺言を作成していなかったため、遺産分割協議を行うことになりました。
B君、C君は未成年のため、単独で有効な法律行為ができません。
通常は、親権者であるA子さんが、B君、C君を代理して法律行為を行うか、B君、C君の行った法律行為に同意を与える必要があります。
しかし、遺産分割協議では、A子さんはB君、C君を代理等することはできません。
なぜなら、相続財産を分割する際には、共同相続人間に客観的・外形的に利害が対立する関係が生じてしまうからです。
そこで、相続人の中に未成年者がいる場合の遺産分割協議では、協議に先立って、家庭裁判所に当該未成年者に特別代理人を選任してもらうことになります。
A子さんの相談を受けた当事務所では、早速家庭裁判所に対して、B君、C君の特別代理人選任を申立てました。
特別代理人には、相続人ではない親族が選任されることが一般ですが、そうした適当な親族がいない場合は弁護士が選任されることになります。
A子さんと相談した結果、A子さんご両親を特別代理人として申立をすることになりました。
申立から1か月ほどで、A子さんのご両親が特別代理人に選任されたため、A子さんはご両親と相談の上、遺産分割協議を行いました。
本件事例のように、未成年者が相続人となる場合は、遺産分割協議に手間と時間がかかります。
こうした事例を避けるためには、遺言を作成し、予め各相続人の相続財産を確定させておくといった方法があります。
なお、受取人が指定されている生命保険金は、受取人固有の財産となるため、妻を受取人としておけば当該保険金は分割されることなく妻に残すことができます。
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