解決事例

(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)

 

A子さんは、夫のBさんに慰謝料請求をしたいと言って当事務所に相談に来られました。

A子さんによると、Bさんは飲食店(キャバクラということでした)勤務の女性と不倫関係にあるとのことでした。

 

その証拠としてA子さんは、Bさんと不倫相手とのスマホでのメールのやり取りを自分のスマホで写した写真を持参していました。

 

不倫をすると、ふつうはパートナーにメール等を見られないようにするため、スマホにロックをかける人が多い中、Bさんはそうしたことに気をまわしていないようでした。

 

そしてBさんと不倫相手のメールを見ると、2人の情事があからさまな表現で記載されていました。

A子さんの希望は、夫Bさんへの慰謝料請求。

 

不倫相手の女性に請求はしないのですかと確認したところ、許せないのはあくまで夫で、不倫相手はどうでもいい、ということでした。

 

請求金額を尋ねたところ、少なくとも1000万円は慰謝料を取りたいということでした。

A子さんに限らず、慰謝料を請求する際、切りがいいのか1000万円を請求したいという方は少なくありません。

 

しかし、不倫で1000万円もの慰謝料もの慰謝料が認められることはまずありません。

さらに、A子さんとBさんは夫婦であり、慰謝料は夫婦の財布から支払うことになります。

 

加えて、1000万円もの請求を行うと、訴状に貼る印紙代や弁護士費用もばかになりません。

そうしたことを話したところ、最終的にA子さんの慰謝料請求額は200万円となりました。

 

A子さんからさらに話を聞くと、数日前から保育園児の娘さんを連れて、Bさんと暮らしていた自宅から比較的近所の実家に戻り、現在、Bさんとは別居しているということでした。

 

そうした状況であればBさんに対して婚姻費用の分担を請求することができると説明したところ、A子さんは婚費の請求もすることになりました。

 

A子さんの依頼を受けて、Bさんに連絡を取りましたが、Bさんは不倫を否定しました。

また、勝手に家を出て行ったA子さんの生活費など一切負担しないということでした。

 

やむを得ず、B対する慰謝料請求(不法行為による損害賠償請求)を裁判所に提訴する一方、婚姻費用分担調停を家庭裁判所に申し立てました。

 

慰謝料請求の最初の期日にはBさん本人が出席し、改めて不倫を否定しました。

一方、婚姻費用分担調停にはBさんは出席しなかったため、もう1期日を設けるか家庭裁判所と協議することになりました。

 

こうして裁判と調停が進む中、最初に相談に来られてから3か月ほどたって、A子さんから突然連絡がありました。

 

A子さんの話によると、その後、Bさんと話し合った結果、もう一度二人で生活始めることになったということでした。

ついては、慰謝料請求、婚姻費用分担調停いずれも取り下げてほしいということでした。

 

2人の仲が元に戻ればそれに越したことはありません。

弁護士は何も夫婦が離婚することを目的に仕事をしているわけではありません。

特にA子さんには保育園に通う子どももいるため、子どものためにも仲直りは最善の結果でした。

 

そこで、慰謝料請求については、Bさんの同意を得て訴えを取り下げ、調停についても同様に取下げの手続を行いました。

 

A子さんにとっては弁護士費用や訴訟費用が無駄となってしまいましたが、ご家族にとっては最善の結果で終わることができました。

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