解決事例

(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)

 

相談者はコンビニの店長をしている独身男性のAさんでした。

Aさんは、職場にアルバイトに来ているB子さんと1年ほど前から付き合うようになり、半年前から肉体関係を持つようになっていました。

 

しかしB子さんには夫がおり、AさんとB子さんはいわゆる不倫関係でした。

B子さんを採用したAさんは、履歴書を見てB子さんに夫がいることを知っていました。

 

今回、Aさんの下にB子さんの夫の代理人弁護士から書面が届きました。

書面には、B子さんとの不貞行為を理由として、Aさんに対して300万円の慰謝料を支払うように書いてありました。

 

Aさんは慌ててB子さんにラインで連絡を取ろうとしましたが、何時まで経っても未読のままでした。

また電話にもB子さんは出なくなったということでした。

 

付き合っていたころ、B子さんは、Aさんに、夫とはすでに離婚することで合意している、後は離婚届に双方が判をつくだけ、といった説明をしていました。

 

Aさんによれば、そうした説明を聞いたこともあってB子さんと深い関係になったということでした。

Aさんから、弁護士からの書面への対応を尋ねられたので、訴訟を提起されるまでは特段対応しなくても大丈夫と説明しました。

 

不倫を理由とする慰謝料請求は、不法行為による損害賠償請求です。

不法行為による損害賠償では、原告(被害者、すなわちB子さんの夫)が不貞行為を主張・立証する必要があります。

決してAさんが不貞行為が「なかったこと」を立証するわけではないのです。

 

もちろんB子さんの代理人弁護士に連絡をして、対応を相談することもできますが、Aさんはそんな連絡はしたくない、今の段階では弁護士に依頼するつもりはない、とのことでした。

 

そのように説明して一旦相談を終了したAさんでしたが、しばらくすると訴えを提起されたといって、裁判所からの届いた訴状をもって再び相談に見えられました。

 

訴えを提起された以上、、問題を放置することはできません。

欠席裁判という言葉あるように、訴えを放置すると原告の言い分がそのまま通ってしまいます。

 

以前から相談を受けていた経緯もあって、当事務所がAさんの代理人として訴訟に対応することになりました。

 

期日が迫っていたので、答弁書において形式答弁(とりあえず「原告の請求は棄却する、との裁判を求める」等書いておくことです)を行い、今後の方針を検討することにしました。

 

訴状と一緒に届いた原告の証拠を確認してみると、Aさんとの不貞行為を認めたB子さんの陳述書がありました。

 

どのような経緯でB子さんの陳述書が作成されたのかは不明ですが、当事者の一方が不貞行為を認めているのでAさんにとってはかなり不利な証拠でした。

 

そこで和解による解決を目指して、まずはB子さんに訴訟告知を行いました。

不貞行為はAさん一人の責任ではなく、その責任の一端はB子さんにもあります。

 

そこでB子さんにも訴訟に参加するように告知を行ったのです。

その上で、AさんとB子さんの不貞行為は、B子さんと夫の婚姻関係が破綻した後であること等、Aさんに有利な主張等を行いました。

 

その後、しばらく期日が重ねられ、争点が不貞行為があったときにB子さんと夫の婚姻関係が既に破綻していたか否かに絞られた後、担当裁判官から和解による解決が図れないか原告・被告双方に打診がありました。

 

この打診に原告・被告とも応じ、和解期日が設けられることになりました。

そして、2度目の和解期日において、裁判官から、Aさんが50万円を支払うという和解案が示されました。

 

Aさんは同席していなかったため、裁判官に断ってAさんに電話をして和解案を伝えたところ、Aさんが納得したので、裁判官に和解案を受け入れる旨伝えました。

 

また原告代理人も、原告に確認を取ったうえで裁判所の和解案を受け入れることになりました。

原告、被告双方が和解に同意したため、裁判所書記官が呼ばれて和解調書が作成され、その日のうちに和解により裁判が終了しました。

 

最終的には訴えを提起されましたが、相手方が当初請求していた300万円を、50万円にまで排除することができました。

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