解決事例

(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)

 

妻のAさんは夫Bさんとの離婚と慰謝料の請求について相談に来られました。

AさんとBさんは高校の同級生で、結婚してから20年ほどになり、大学生と高校生の2人の息子さんがいます。

 

Bさんは建設会社を経営しており、会社の経営は順調で、Aさんの暮らしぶりも豊かでした。

そんなAさんが、Bさんとの離婚を決意したのは、Aさんの度重なる浮気が原因でした。

 

10年ほど前、BさんとBさんの会社の事務員をしていた甲さんの浮気が偶然発覚しました。

ある日、たまたまAさんが市内を車で走っていると、見覚えのあるBさんの車が見知らぬ家の前に止められていました。

 

その日の晩、Aさんが何気なくBさんにその日の仕事のことを尋ねると、Bさんは会社からどこにも外出していないと話しました。

不審に思ったAさん、別の日に改めてBさんの車が止められていた家に行って表札の名前を確認してみると、Aさんとも顔なじみだったBさんの会社の甲さんの名前が出ていました。

 

Aさんが早速、興信所に夫Bさんの素行調査を依頼したところ、Bさんは調査対象期間の1週間の中で3回も仕事を抜け出して甲さんの自宅に行っていることが分かりました。

 

AさんがBさんに興信所の調査資料を突き付け、甲さんとの浮気の有無を問い質したところ、Bさんはあっさりと甲さんとの浮気を認めました。

甲さんは営業と称して会社を抜け出し、自宅でBさんと密会していたのです。

 

AさんがBさんを非難したところ、Bさんは二度と会社以外で甲さんとは会わないと約束しました。

Bさんが信用できなかったAさん、休日に甲さんを呼び出し、Aさんの前で今後、夫のBさんとは社外で一切会わないと約束させました。

 

この時は息子二人が小学生であったこともあり、AさんはBさんと離婚の離婚を思いとどまりました。

ところが最近になって、社長(Bさん)と甲さんが交際していると、会社の社員と名乗る男性から自宅のAさんへ電話があったのです。

 

Aさんは今回も興信所にBさんの素行調査を依頼したところ、Bさんは週に何度も甲さんの自宅を訪問していることが発覚しました。

前回と違ったのは、Bさんは甲さんの自宅を訪れる際、自家用車ではなくタクシーを利用するようになていました。

 

さらにその週末、Bさんが近県に出張する予定が入っていたため興信所に調査を依頼したところ、Bさんは出張先のホテルで甲さんと会っていたことも分かりました。

 

Bさんとの離婚を決意したAさん、まずBさんが会社に行っている時に荷物を運び出し、同じ市内の実家に引っ越してBさんと別居することにしました。

 

その上で当事務所に、Bさんとの離婚、Bさん・甲さんを相手方とする慰謝料請求を依頼されました。

Aさんとしては、夫のBさんは無論のこと、10年前に今後一切Bさんとは会わないと約束した甲さんが許せないので、ぜひとも甲さんから慰謝料を取ってほしいとのことでした。

 

離婚の請求についてBさんに連絡したところ、自分としてはAさんと別れるつもりはない、息子二人もまだ未成年なのでAさんには離婚を思いとどまってほしい、とのことでした。

 

慰謝料の請求については、不真正連帯債務として、Bさんと甲さんを相被告として地方裁判所に訴えを提起しました。

訴訟では、Aさんが収集した興信所の調査報告を証拠として提出する一方、10年前もBさん・甲さんが同様に不貞行為に及んでいること、甲さんはAさんに二度とBさんと会わないと約束しているのに約束を守らなかったことを指摘し、不法行為による損害賠償請求を行いました。

 

Bさん・甲さんとも不貞行為自体を争わなかったので争点は損害賠償金の金額であり、裁判所の強い勧めもあって和解で事件を解決を図ることになりました。

 

Bさんと甲さんから同額の賠償金を取得したいというのがAさんの強い意向を、和解期日に相被告の代理人に伝えたところ、最終的に損害賠償300万円、うちBさん、甲さんがそれぞれ150万円ずつ賠償金を支払うことで和解が成立しました。

 

一方、離婚については、息子さん二人がAさん会い、Aさんに家に戻ってほしい、Bさんと離婚しないでほしいとAさんに強く訴えました。

 

最終的にはAさんは息子さん二人の希望を容れ、Bさんとの離婚は思いとどまりました。

 

今回は、①不貞行為の証拠がある程度揃っていたこと、②以前と同じ相手との不貞行為であったこと、③前回の約束が反故にされていること、等の事情に加え、④被告が不貞行為を反省しており、かつ資力があったこと、

などの条件がそろったため、比較的高額の慰謝料が取得できました。

なお、甲さんが支払う150万円については、どうやらBさんが実質的に支払ったようでした。

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