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【クレーム・リコール対応の基本と対応マニュアル】

梅原ゆかり 三修社 2010年

 

どのような仕事にもクレームはつきものです。

弁護士になる以前、派遣会社に勤務していたころ、クレジットカード会社のコールセンターの責任者をしていたことがありました。

そのコールセンターの主たる業務は、支払期日の決済ができなかったカードホルダーに対して、支払が遅れていることを伝え、支払いを促すために架電をすることでした。

ところが、コールセンターのオペレーター(全員女性でした)がこうした電話をかけると、中には「おまえ(オペレーター)の話し方がなっていない!」、「少し支払いが遅れたくらいで電話をするな!」、「もうお前の会社のカードなんかやめてやる!」などと言いだす人が必ず出てきて、最後はそろって「責任者を出せ!!」という展開になります。

 

そこで「責任者」の私の出番となりますが、こうしたクレーマー(と敢えていいます)は、しばらく話を聞いていると、その内に怒りが収まるのか「もういい」と言って電話が切られてお終いになることが大半でした。

しかし中には、何時までもオペレーターの非をあげつらい、「この責任をどうとるんだ!!」と言い募るカードホルダーも一定数存在しました。

 

こうした対応で肝要なのは、早期に当社に非があるか否かを見極めることです。

非があれば誠心誠意謝罪します。

一方、非がないと判断すれば、ある段階からは毅然と対応することになります。

中途半端に当社の非を認める発言をすると法的な責任問題に発展します。

 

本書は、オーソドックスなクレーム対応術がまとめられています。

過日、こうした業務を担当した者からみると違和感のある部分もありますが、多くは首肯することができます。

本書は、これからクレーム対応に臨む担当者、あるいは現にクレーム対応に苦慮する駆け出しの担当者に一定の指針を与える良書です。

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