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【証書の作成と文例・借地借家関係編】 日本公証人連合会編 2014年 立花書房
借地借家を巡るトラブルは、弁護士会、法テラス、そして自分の法律事務所で受ける法律相談でもよく出てくるテーマです。
一昔前は、賃借人がマンション等を退去する際、法外な原状回復を要求されて困っているといった法律相談や、更新料を要求されて困っているといった法律相談が比較的多かったように思います。
もっとも原状回復については国土交通省のガイドラインによって、更新料の問題については判例によってある程度整理されてきました。
最近は、単純に家賃を払わない(払えない)賃借人に退去を求める方法といった法律相談が比較的多くなってきた印象です。
家賃を払えない賃借人への対応は、速やかに賃借人に退去をいただき、大家さんの損害を最小限にすることが重要になります。
この問題は、事前に対策を立てることは困難です。
せいぜい賃借人の与信管理をしっかり行うということでしょうが、素人の大家さんでは限界があります(プロの銀行が行う融資でも貸し倒れはあります)。
もっとも、借地借家を巡る多くの問題は、事前にしっかりとした賃貸借契約書を作成することで防ぐことが可能です。
本書は、公正証書で作成する賃貸借契約書を念頭に、借地借家特有の問題に留意した契約書作成のノウハウを比較的分かりやすく解説したものです。
借地借家の問題を扱う弁護士や司法書士には有用な一冊です。
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