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【年収300万円時代を生き抜く経済学】 森永卓郎著 光文社 2003年

 

10年以上前に出版された当時のベストセラーです。

 

現在でもテレビ等で活躍されている森永卓郎氏が、来るべき所得格差時代(一部の富裕層と低年収層の二極化)に備え、低年収となっても面白おかしく生きていく術を伝授した内容になっています。

 

この本が出版されてから10年、森永氏の予測よりもデフレからの脱出には時間を要しましたが、その後の国民経済の展開は本書が予測したとおりになっています。

 

本書では、一部のエリート層を除き大半の国民の年収が300万円台まで落ち込み、年収100万円台の正社員となれないパート・アルバイトに従事するせざるを得ない人々も大量に発生すると予想しています。

 

最近のニュース報道では、デフレから脱却したとして高級外車やデパートでの高級品の消費回復をあげていますが、こうした高級高額品を購入できるのは一部の富裕層に過ぎません。

 

大半の国民は、収入が増加しないかな(ベアなどは国民全体から見れば一部の恵まれた会社に勤めている人の話です)、消費税増税も相まって支出だけが増えているだけです。

 

2013年の平均年収は446万円ですから、森永氏の予測より100万円ほど多くなっていますが、可処分所得の減少を考えると実感としては年収300万円台でもおかしくありません。

 

こうした状況の中で森永氏は、年収300万円が本当に貧乏といえるのかという自問からスタートし、発想の転換やほんの少しの工夫で1年に300万円もあれば豊かな生活を送ることができると説いています。

 

当時流行した清貧の思想とことなり、森永氏の提案は平凡な私たちでもすくにできるものが多く共感が持てます。

 

このようにためになる話を面白く解説した本ですので、今さらですが読んでいない方にはおすすめです。

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