ブログ
日本で企業オーナーの親族が事業を承継するケースが多い理由
日本では企業オーナーの親族、特に子に事業を引き継がせるケースが多く見られます。
これは一つに日本の中小企業の場合、経営(社長の椅子)と所有(自社株式)が一体となっているためです。
社長が保有している自社株式は、社長の個人資産です。
個人資産ですから、その承継先は親族、特に子になることが多くなります。
その結果、子が株主=社長になります。
企業オーナーの親族に会社を承継する場合の準備の必要性
幸いに子が会社を継ぐと言ってくれていても、事業の承継には準備が必要です。
事業のかじ取りに必要な知識や経験、会社内外の関係者からの信頼といったものも一朝一夕に得られるものではありません。
さらには、会社の経営権は最終的には自社株式の保有割合で決することになるため、後継者は自社株式を承継する必要がありますが、この準備も大変です。
そもそも、自社株式が親族間で分散している場合、現オーナーが自社株をまとめる必要があります。
後継者への自社株式の移転についても、事業内容が良好で内部留保金が積み上がっている会社の場合、税務上の自社株式の評価が高くなるため、移転時の税金(贈与税・相続税、譲渡所得税等)が高額となります。
したがって、自社株式の評価を下げるための対策が必要となる場合があります。
また、企業オーナーの財産中、自社株式という財産が大きな割合を占めるため、企業オーナーに複数の法定相続人がいる場合、特定の後継者に自社株式を贈与・相続させてしまうと、他の法定相続人から不満が出る可能性があります。
このように、事業承継は後継者がいる場合でも事前に十分な準備を行う必要があります。
具体的には、
- 自社株式を後継者に承継する際のコスト(譲渡所得税・贈与税・相続税等)の検討
- 自社株式が分散している場合(少数株主が存在する場合)の自社株式の集約方法の検討
- 相続税の納税資金の準備
- 後継者以外の子がいる場合の遺留分対策
お問い合わせ・ご相談予約