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わたくし、ふだんの生活でいわゆるスイーツを口にすることは、めったに、ない。

めったにないので、当然スイーツを求めることもほとんど、ない。

わたくしの場合、1年365日お酒を飲んでいるので、糖分の大半はアルコールから摂取しており、したがって身体がスイーツを欲しないんだと思う。

何年か前、思い立って半月ほどお酒を抜いた。

その時はスイーツ、いや、甘いもんを身体が欲して、夜な夜な自宅のパントリーで甘いもん漁りをしてしまったこともあるので、やはり体に必要な糖分はアルコールから必要にして十分な量を摂取しているのだと思う。

 

このように、ふだんはスイーツについてはアウトオブ眼中であるが、出先で友人から「ここのスイーツはおすすめですよ」なんて言われると、おすすめをされたそのスイーツを買って帰ることもある。

今回は仕事で大阪の上本町に出かけた際に、一緒だったお取引先の方からすすめられたのが「なかたに亭」のスイーツである。

すすめた方によれば、こちらのスイーツは奥様とお嬢様への土産としてはテッパンとのことである。

 

 

お店は近鉄百貨店上本町店の南にあり、下校時間だったせいかお店の前を近所の清風高校の生徒がひっきりなしに通り過ぎていく。

お店に入ると左手におかれたショーケースには、わたくしのようなオジサンには縁がない宝石箱のような(陳腐な表現ですまんすまん)スイーツが並んでいる。

スイーツを注文してお店の奥のカフェで楽しむことも、わたくしのようにテイクアウトすることもできる。

わたくしの前に並んでいた学生風男女は自分たちの番が回ってきてから、あーでもない、こーでもないと3分近く迷ってカフェで食するスイーツを選んでいた。

列に並んでいるうちに自分たちが食べるスイーツなど選んでいてもよさそうなものだが、並んでいるときには男子のアルバイト先の先輩に関するどうでもいい話に興じていて(後ろに並んでいるとイヤでも聞こえてくる)、スイーツのセレクションに対する準備はナッシングなのである。

この手の事象はオバサンによくみられるが、この学生風男女もそうだったのである。

 

 

あーでもない、こーでもないのバカップルがようやくスイーツを選んでショーケースの前から立ち去った後、ようやくわたくしの番が回ってきた。

わたくしは当然チョイスすべきスイーツを決めていたので、店員さんの「ご注文をどうぞ」の後ろ半分にかぶせるように「カライブ4つ、持ち帰りで」と電光石火の注文である。

カライブ。

ショーケースにあった説明には「カリブ海諸島産カカオのムース ナッツの香ばしさと豊かなカカオの風味」とある。

よく分からんが、カリブ海といえばカカオの本場、という気がする。

そういう気がするが、やはりよく分からない。

それでもカライブは無事に購入することができた。

 

 

購入したカライブは、当然ながら京都の自宅まで持ち帰る必要がある。

上本町からだと、谷町九丁目まで歩いて地下鉄に乗り、梅田で阪急に乗り換えて1時間30分ほどの行程である。

丁度夕方のラッシュの時間にあたってしまったので、カライブが入った箱がつぶされないように気を使いながら何とか自宅に戻ってきた。

これだけでけっこうヘトヘトである。

このあと、家族と一緒にいただいたカライブは苦労して持ち帰っただけあり、本場のカカオをつかっていることもあり(?)、けっこうなお味でした。

 

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