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開業医などの医師には法令上様々な義務が課せられています。

そこで今回は、どのような義務が医師に課せられているのか、ご紹介したいと思います。

 

応招義務

 

医師は、患者から診療行為を求められた場合、正当な事由がない限りこれを拒否することはできません。

この医師に課せられた義務を応招義務といいます(医師法19条1項)。

 

他方、正当な事由があれば診療を拒否することができるとされているため、正当な事由の内容が問題となります。

正当な事由の有無の判断にあたっては、①患者について緊急の態様が必要か否か、を最も重要な判断要素として、②診療を求めらえたのが診療時間内、意志の勤務時間内か否か、③患者と医療機関の信頼関係などを考慮し、総合的に判断されます。

 

診療録の作成・保管義務

 

医師は、診療をしたときには遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載し、診療録を5年間保存する必要があります(医師法24条)。

 

診断書等の交付

 

医師は、患者から求めがあった場合は、診断書、検案書及び出生証明書等を交付する必要があります(医師法19条2項)。

 

処方箋の交付

 

医師は、治療上、薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合は、患者や看護師に対して、処方箋を交付する義務があります(医師法22条柱書本文)。

 

守秘義務

 

医師は、正当な理由なくその業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏洩してはなららず、かかる義務に反した場合には6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられます(刑法134条1項)。

 

個人情報の保護義務

 

医療機関は、個人情報に該当する診療録、処方箋、検査写真等について、個人情報の保護に関する法律等に基づいて適切な取扱いをする必要があります(個人情報の保護に関する法律)。

 

届出義務

 

医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければなりません(医師法21条)。

 

虐待に関する通報義務

 

医師は、虐待を受けたと思われる児童を発見した場合、養護者から虐待を受けたと思われ生命や身体に重大な危険が生じている高齢者を発見した場合には、法令に従い関係各所に通報する義務があります(児童虐待の防止等に関する法律6条1項、高齢者虐待の防止・高齢者の養護者の支援等に関する法律7条)。

 

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