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ブックオフで見つけた「ソバ屋で憩う―悦楽の名店ガイド101」。著者は杉浦日向子さんとソ連。

杉浦日向子さんやソ連(ソバ好き連合、とかそんな名前の略称、だったはず。たぶん)が主に東京都心や近郊で食べ歩いたそば屋を紹介した本。

一部有名店を除いて知らないお店ばかり登場するので、よっぽど途中で読むの止めようかと思った。知らない店、それも京都からだと中々行けないお店の紹介記事や本、友人から見た映画の説明を延々聞くのと同じくらいつまらん。

 

店の紹介はつまらんが、本の中には度々いわゆる「そば前」が登場する。

そば前。その名のとおりそばを手繰る前にアテをとって酒を飲んだりすること。

板わさ、玉子焼、焼き鳥なんかをアテに菊正の冷で一杯、みたいな。

知らん店には興味がないが、そば前には興味がある。池波正太郎のエッセイにもそば前がよく登場した。

 

読んでるうちにぜひ自分もそば前を楽しみたくなった。こうなると、もうそば屋直行しかない。ほとんどアル中。

行ってきたのは事務所の近所にある大黒屋というそば屋さん。

四条通から高倉通を少し北に上がってすぐ右側(東側)。大丸京都店のお隣。

 

土曜日の昼時だったが空席があり、さっそく店員さんにテーブル席に案内される。

大丸の隣にあるので、買い物の合間に昼食を楽しんでいる様子の年配の客が目につく。

こういう状況の店内でいきなり酒を注文することには少しばかりの躊躇を覚える。

真昼間からそば屋で酒をあおるオヤジ。決して世間体のいいものではない。

そもそもそば前はそば屋のアイドルタイムである昼下がりから夕方に楽しむものだろう。

にもかかわらずみんなが昼めしを食べてる時間にそば前なんて。

何か落魄の身、人生の敗残者といった気配が濃厚に漂う。

 

 

しかし、そば前で頭がいっぱいになっているオジサン。もう止められない。

ドント・ストップ・ミ~ナァァ~ウゥ♬ヘイ・ヘイ・ヘェ~イ~♬(クイーンのつもり)

まずは冷酒を注文。ソバの実が入った味噌と一緒に直ちにテーブルに届けられる。

急ぐ必要などないのにグラスに注いで呷るように冷酒を飲む。いや、呑む。

 

ウマい。いや、

ウンっまい!

もう、完全に、

フンガァッッッー!!!! \(◎o◎)/!

ほとんど錯乱オヤジ。自分を見失ってる。やばいな。これは・・・

そば味噌を舐める。そして冷酒。

フンガァッッッー!!!!!! \(◎o◎)/!

落ち着こう。ざるそば一枚を注文。

 

 

ざるそば。久しぶりに食べるとウマい。時期的に新そばか。

そばを手繰る。昼酒で失った心の平穏をとりもどす。

幸い周りの上品な客は昼間っから酒を飲んでる訳あり風オヤジ(自分のこと)に誰一人注目していない。いや、相手されてない。いいんだ、どうせ人間一人で生まれて一人で死ぬんだし。

 

そばを手繰り、お茶を飲む。最後はそば湯で〆る。

昼めしどきのそば前、実際にやってみると何かせわしない気配がつきまとう。

やはりそば前は昼下がりに楽しむものであった。

 

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