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財産分与における2分の1ルール

 

従来、財産分与の基準については、寄与度説と平等説の対立がありました。

 

寄与度説とは、具体的事案ごとに、夫婦それぞれが財産の形成に寄与した内容を検討し、その寄与度に応じて財産を分与するという考え方です。

一方、平等説とは、夫婦における両性の本質的平等を重視し、仮に夫婦で財産形成に対する寄与度が異なっていたとしても、財産分与は平等に行うという考え方です。

 

実務では、ほぼ平等説に従って財産分与が行われています。

したがって、よほど特別な事情がない限り、財産分与は2分の1づつ均分で行われることになります。

 

2分の1ルールの例外

 

この2分の1ルールの例外として主張されることが多いのが、①不動産等の高額な資産を購入する際、夫婦の一方がその特有財産から頭金等を支払った場合、②夫婦の一方の特別な努力や能力によって多額の財産を形成することができた場合、です。

 

このうち、①夫婦の一方が不動産購入の際などに特有財産から頭金を支払っているケースでは、支払の記録等からその寄与を評価することは比較的容易です。

(但し頭金の額そのものを共有財産から控除できるのかについては別途検討する必要があります。)

 

他方、②夫婦の一方の特別な努力や能力によって多額の財産が形成できた、との主張については、どのような努力や能力を特別と評価するのか、財産形成との因果関係があるのか、等が問題となります。

夫が会社を経営し、妻が専業主婦のケースで、夫が努力して会社を大きくしたとしても、そもそも妻が家事や育児を頑張ったからこそ夫の事業が成功したともいえます。

こうしたケースでは、事業の成功が夫の特別の努力や才能だけによるものか問題となります。

 

なお、裁判例で2分の1ルールの例外が認められたものには、夫の病院経営が成功したのは夫の手腕や能力によるところが多いとした上で、妻の医業への協力、婚姻継続期間、離婚に至った経緯、妻の年齢、子の扶養関係、夫婦の財産関係を考慮して、夫の個人資産1億円中、妻への財産分与は2,000万円とした裁判例があります。
(福岡高判昭和44年12月24日)

 

上記裁判例はありますが、やはり財産分与ではよほどの事情がない限り2分の1ルールが適用されることが多いと思われます。

 

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