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婚姻費用や養育費の算定にあたり、義務者の収入をどのように算定すればいいのか、問題になることがあります。
今回はいくつかの例を挙げて、義務者の収入をどのように認定するのかご紹介します。
義務者が働けるのに働いていない場合
無職で収入がない場合は、原則として収入はゼロとなります。
一方で、働く能力がある場合は、潜在的稼働能力があるものとして収入を認定することもあります。
具体的には賃金センサス等を用いて収入を推計することがありますが、定職について働いた経験がある場合と、そうした経験がない場合では、賃金センサスの適用区分を分けたりします。
後者の場合は、短時間労働者の性別・年齢別の年間収入によって推計することになります。
義務者が生活保護を受給している場合
生活保護は、国が困窮した人が最低限の生活を送れるように生活を保障するものです。
したがって、この場合、受給者は婚姻費用や養育費の分担義務を負いません。
義務者に債務がある場合
養育費や婚姻費用の算定において、義務者(支払う側)に債務があると、義務者側から債務を考慮して養育費や婚姻費用を算定して欲しいといった要望が出されることがあります。
しかしながら、債務の支払いを扶養義務に優先させることは適当ではないため、債務を養育費・婚姻費用算定における特別経費に含めることは行なわれていません。
他方で、その債務の発生原因が共同生活に関するものである場合(婚姻期間中に購入した車のローン等)、別居後にこれを一方だけが負担することは公平とはいえません。
そこで、共同生活に関して生じた債務については、養育費・婚姻費用の算定の際に考慮されることがあります。
義務者が失業保険を受給している場合
失業保険は生活保護と趣旨が異なるため受給者は婚姻費用や養育費の分担義務を負います。
その上で、受給者に必要な職業費を考慮して総収入の19~20%を控除します。
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