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被保険者(元妻)による保険契約変更の可否
婚姻中に[契約者][保険金受取人]妻、[被保険者]妻という契約形態で夫が保険契約を締結することがあります。
離婚後に当該保険契約が残されていると、元妻は自分が亡くなると、その生命保険金が元夫に支払われることなります。
保険法では、保険金受取人の変更は、保険事故が発生するまでは[保険契約者]が保険会社に対する意思表示で行うことができ、[被保険者]の請求で保険金受取人の変更ができる等の規定はありません。
したがって、元夫が手続をしてくれない限り、元妻が保険金受取人を変更することはできません。
被保険者(元妻)による生命保険契約の解除
保険法38条は、生命保険契約の当事者以外の第三者を被保険者とする場合、生命保険契約の効力が生じるためには当該第三者の同意が必要であると規定しています。
そして保険法58条1項3号は、死亡保険契約の被保険者が当該死亡保険契約の当事者以外の者である場合、被保険者からの保険契約の解除請求が認められる要件として、
「保険契約者と被保険者との間の親族関係の終了その他の事情により、被保険者が38条の同意をするに当たって基礎とした事情が著しく変更した場合」
と規定しています。
夫婦が離婚した場合、妻が保険法38条の同意をするにあたって基礎とした保険契約者の妻であるという事情が著しく変更したといい得ます。
したがって元妻は、保険法58条1項3号による保険契約の解除請求を検討することになります。
なお、同号によると、保険契約者の元夫は、元妻に対して保険契約を解除する義務を負うにとどまり、元妻の解除請求によって直ちに保険契約が解除されるわけではありません。
元夫が、保険会社に対して、解除の意思表示をしない場合、元妻は、元夫に対して解除の意思表示を求める訴えを提起する必要があります。
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