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厚生省(当時)の人口動態調査・人口動態社会経済調査

 

厚生省では出生・死亡・死産・婚姻及び離婚の事象について「人口動態調査」を実施していました。

もっとも、これらの統計は「戸籍の届書」及び「死産届書」によっているため、調査の事項に制約があります。

これを補うために、昭和37年度より毎回テーマを変えて「人口動態社会経済面調査」が実施されました。

離婚については「離婚家庭の子ども」をテーマに平成9年6月に親権を行う子どもを有して協議離婚した者を対象に離婚前後の子育て環境の状況を明らかにするため、同年10月に調査が行われました。

 

離婚により生じた悩み(複数回答)

悩みの内容 親権者(男) 親権者(女)
子どものこと 69.6(第1位) 66.8(第2位)
離婚したこと 21.4 9.7
近所づきあい 19.9 10.2
勤務先の雰囲気 13.4 4.2
親のこと 28.0 17.0
経済的なこと 28.6 73.0(第1位)
仕事と子育ての両立 49.4(第2位) 43.5(第3位)
自分自身の健康 22.0 25.4
家事のこと 42.6(第3位) 7.3
再婚のこと 28.0 8.6
転居による環境の変化 1.2 10.5
就職のこと 7.4 27.0
その他 10.1 6.3

 

悩みの内容で「子どものこと」は親権者(男)では第1位、親権者(女)でも「経済的なこと」に次いで第2位を占めています。

さらに「子どものこと」に関する悩みを掘り下げて質問すると次のような回答となりました。

 

子どもに関する悩み(複数回答)

悩みの内容 親権者(男) 親権者(女)
子どもとの意思の疎通 14.1 10.1
接する時間が少ない 47.4(第1位) 42.1(第2位)
進学や就職 28.6(第3位) 28.0(第3位)
勉強のこと 28.6(第3位) 16.1
別れた配偶者との面会 27.4 27.3
情緒の問題 40.2(第2位) 43.5(第1位)
素行上の問題 20.9 10.7
学校等での生活が上手くいかない 8.5 10.2
その他 9.0 11.4

 

こうしてみると、子どもに関する悩みは、どこの家庭にでもあるものが多いといった印象です。

「接する時間が少ない」は親権者(男)で第1位、親権者(女)でも「情緒の問題」に次いで第2位ですが、共働きの場合はやはり子どもと接する時間が少ないと感じている親が多いでしょうから、親が離婚した家庭特有の悩みとはいえないと思われます。

 

その他の離婚の解説は

👉離婚

 

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