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不貞行為と慰謝料

 

夫婦の一方の不貞行為が原因で離婚に至った場合、不貞行為をした当事者は相手方に慰謝料を支払う義務を負うことになります。

さらに不貞行為の相手方についても、不貞行為について故意や過失がある場合(相手が結婚していることを知って不貞行為に及んだなど)、同じく慰謝料を支払う義務を負います。

それでは、慰謝料としてどの程度の金額を支払う必要があるのか、裁判例をご紹介したいと思います。

 

不貞行為の慰謝料に関する裁判例

(甲:原告 乙:被告)

 

①事件の概要

(夫A・妻甲) Aと乙は会社の同僚で、不貞関係を持つようになり、後に不貞関係が甲に発覚。

乙は、甲に対して、①慰謝料200万円の支払い、②今後Aと連絡をとらない、③②に反したら違約金100万円を支払う、約束をする。

しかし、乙はその後もAとの連絡をとり、慰謝料200万円についても60万円を支払っただけで残金140万円の支払いをしていない。

結婚期間・不貞期間

6年7カ月・2年以上

婚姻継続・離婚

婚姻継続

慰謝料認定額(請求金額)

440万円(1240万円)

(東京地判平成15年2月14日)

 

②事件の概要

(夫甲と妻A) Aは乙との交際開始後、甲の口座からの引出しや甲名義のクレジットカードを使用するなどして412万円を費消。

Aの借入はその後甲が返済。

甲とAは、子2人の親権者をAとして、Aは慰謝料300万円を5万円の分割払いで甲に支払うことを合意した上で調停離婚。

結婚期間・不貞期間

10年10か月・1年2か月

婚姻継続・離婚

離婚

慰謝料認定額(請求金額)

400万円(900万円)

(東京地判平成15年6月12日)

 

③事件の概要

(夫A・妻甲) 甲が出産したのと同時期に乙はAの子を出産し、Aは乙が産んだ子を認知。

その後、Aは乙との不倫関係を甲に告白し、自宅を出て乙と同棲を始める。

結婚期間・不貞期間

8年8カ月・5年6か月

婚姻継続・離婚

婚姻継続(別居)

慰謝料認定額(請求金額)

450万円(5200万円)

(東京地判平成15年9月8日)

 

参照:千葉弁護士会編「慰謝料算定の実務 第2版」平成25年ぎょうせい

 

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