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親権・監護権

 

親権とは、未成年の子を養育するため、子を監護教育し、子の財産を管理すること等を内容とする親の権利義務の総称です。

親権は、子の身分上の監護教育権と、財産上の管理処分権に大別されます。

監護教育権、居所指定権、懲戒権は監護教育権に、財産管理権や子に代わり法律行為を行う権利は財産上の管理処分権に含まれます。

他方、監護権とは、親権に含まれるもので、子の監護教育権を指します。

簡単に言えば監護権とは、子と暮らし、子を監護教育する権利義務のことです。

 

親権と監護権の分離の可否

 

民法は819条で

「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない」

と規定する一方で、766条において

「父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める」

と規定しています。

そこで親権と監護権を分離すること自体は可能であると言われています。

 

親権と監護権を分離する必要性がある場合とは

 

一般的に親権と監護権の分離が問題になるのは次のようなケースです。

① 父母双方が親権者となることに固執して話し合いがつかない

② 父母の一方が子の身上監護には適しているが、その他財産管理等には適していない

 

親権と監護権を分離した場合の問題点

 

監護権と親権を分離した場合、監護権者は、子の身上監護をする権利、教育権、居所指定権、懲戒権等を有することになります。

他方で監護権を持たない親権者は、子の財産を管理する権利、子の財産について子を代表する権利、15歳未満の子の養子縁組や氏の変更等の身分行為についての代理権を有することになります。

そうすると、監護権を取得した母が、離婚後に婚姻前の姓に復氏し、子の氏を自分の氏と同じにしようと思っても、親権を取得した父が協力をしないと子の氏の変更ができないといった事態が生じます。

 

まとめ

 

親権と監護権は民法上分離することができても、安易に分離をすると思わぬ事態が生じることになるのです。

したがって、親権の監護権の分離は、こうした不利益が生じてもなお両者を分離する強い必要性がある場合に限って検討すべきだと思います。

 

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