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財産分与における不動産の登記名義の問題
財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して築いた財産を、離婚時に清算するものです。
夫婦が協力して築いた財産には、現預金、有価証券、種々の動産や不動産などがあります。
このうち不動産については、夫婦の一方(多くは夫)の名義で登記されていることがあるため、当該不動産が財産分与の対象となるのか、問題となることがあります。
夫名義で登記されている不動産
不動産を購入するにあたり住宅ローンを利用した場合、妻が専業主婦(またはパート等)の場合、収入のある夫の名義でローンが組まれ、夫の給料から住宅ローンが返済されているのが一般的です。
そのため、当該不動産は夫の単独名義で登記されていることが少なくありません。
それでは、夫の単独名義で登記されている不動産は夫の固有財産であり、財産分与の対象にならないのでしょうか。
もちろん、そうしたことはなく、夫の単独名義で登記されている不動産でも、夫婦で協力して購入したものであれば財産分与の対象となります。
ローンの返済は夫の給料からなされていたとしても、専業主婦の妻は家庭で家事や育児を行い、又パート収入のある妻は、その収入を他の家計費に支出しています。
したがって、夫婦が協力して取得したと評価できれば、当該不動産は財産分与の対象となります。
夫婦の共有で登記されている不動産
最近では不動産を購入する際、夫婦が共有で不動産を登記することが少なくありません。
夫婦が共有で所有する不動産は、その持分について夫婦それぞれの固有財産となり、不動産全体は財産分与の対象とならないのか問題となります。
この点について、夫婦が協力して不動産を取得したにもかかわらず妻の共有持分が夫より少なくなっていることがあります。
(夫 持分80% 妻 持分20% など)
こうしたケースで形式的に持分の80%を夫の固有財産、20%を妻の固有財産として財産分与の対象から不動産を除外することは適当とはいえません。
やはり当該不動産を夫婦が協力して取得したと評価できるのであれば、夫婦それぞれの持分を固有財産とするのではなく、全体を財産分与の対象とする余地があります。
夫婦の一方が相続等で取得した不動産
この場合、当該不動産の取得に夫婦の協力があったとは認められません。
したがって当該不動産は、相続等で取得した者の固有財産となり財産分与の対象となりません。
まとめ
不動産については、その登記名義ではなく、夫婦が協力して取得した者と評価できる場合は財産分与の対象となります。
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