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脱税について

 

以前、税務署の国税調査官とお会いした時に脱税の手口について教えてもらったことがあります。

そこで今回は脱税とその手口について紹介したいと思います。

 

まず脱税の目的ですが、①税金を払いたくない(お金を手元に残したい)、②裏金など表に出せないお金を捻出したい、といったことが挙げられます。

 

脱税の方法は、いろいろな手口があっても、1売上除外、2架空経費計上、3在庫の過少計上、の3つに集約されます。

3について少し説明すると、収入は[売上]-([経費]-[商品の在庫])で計算するため、在庫を過少計上すると売上を減少させることができます。

ここでは1売上除外と、2架空経費計上についてご紹介します。

 

1売上除外

 

①伝票の操作

伝票に通し番号がなければ、その一部を破棄することで簡単に売上を除外できます。

原始的な方法ですが、簡単なのでよく使われるそうです。

そこで税務署は飲食店に定期的に内定調査を行います。

その時に調査官が注文した料理の伝票が残されているか、後日の調査で確認されます。

そのためお店の方では日替り定食など、数が売れる料理の伝票を選んでその一部を破棄したりします。

 

②特定の売上を除外する

事業者や会社に対する売上は、事業者は会社がそれを経費として計上するため、税務署が反面調査を行うと売上除外が簡単に分かってしまいます。

そこで、領収書を出さないような個人に対する売上だけを除外します。

もちろん個人あての売上が全くないとおかしいので、常連客などへの売上は計上するようにします。

 

③レジの操作

レジを使った売上除外には、①一定の時間レジを打たない、②特定のレジの売上をそっくり除外する、③レジを打ち直す、といった方法があります。

①の方法は、レジを打たない時間を毎日ずらして不自然ではない売上を作出します。

②の方法は、レジの数が数台だと利益率が極端に下がり不自然ですが、多数のレジがあれば可能です。

③の方法は、レジを打つ回数が多い業種では手間がかかりすぎるので、商品単価が高く、レジを打つ回数が少ない業種で行われます。

 

2架空経費の計上

 

①切手・回数券の換金

切手や新幹線の回数券を購入し、これらを事業に使ったことにして金券ショップで換金します。

金券ショップには購入金額より低い価格で引き取られますが、購入金額を経費計上できます。

 

②架空人件費の計上

正社員と異なり、短期のアルバイトを採用しても社会保険は源泉徴収する必要がないことがあります。

そこで記録の残らないこうしたアルバイトを採用したことにして、架空の人件費を計上します。

また親族などを非常勤役員にして架空の報酬を計上する方法もあります。

 

③架空外注費の計上

途中に何社もの会社を絡ませて架空の外注費を経費計上する方法です。

また、外注費の一部を取引先からバックさせ、それを申告しないという脱税方法もあります。

大企業では取引先からバックさせたお金を裏金に使ったり、オーナー企業では社長が小遣いとして使ったりします。

 

以上、簡単な脱税方法をご紹介しましたが、今回ご紹介したものは当然ながら税務署は全て把握しているものばかりです。

ゆめゆめ、真似をして結果として高い税金を払うことがないように注意してください。

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