ブログ

財産分与と贈与税

 

財産分与は、「夫婦が婚姻中に有していた実質上共同の財産を清算分配」することを目的とします。

したがって、妻が夫から受ける財産の分与は、いわば自己の財産の分与に過ぎないため贈与税は課税されないのが原則です。

 

一方で相続税法基本通達9-8に拠ると、

「婚姻の取消し又は離婚による財産の分与によって取得した財産については、贈与により取得した財産とはならないのであるから留意する。」

と規定する一方、

「ただし、その分与に係る財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮してもなお過当であると認められる場合における当該過当である部分又は離婚を手段として贈与税若しくは相続税のほ脱を図ると認められる場合における当該離婚により取得した財産の価額は、贈与によって取得した財産となるのであるから留意する。」

と規定しています。

 

過当であるかどうかの判断

 

通達によれば、分与された財産額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産額と比較してあまりに多額となる場合、その過当部分については贈与税が課されます。

具体的には、離婚原因や離婚後の双方の経済状態等によって判断されます。

 

夫の浮気が離婚原因で、その分与される財産に事実上慰謝料が含まれている場合は相当程度の金額を分与しても過当とは判断されないと思われます。

同様に、長年連れ添った夫婦において、夫から一方的に離婚を突き付けられた妻が専業主婦で、離婚の経済力に問題があるといった事情がある場合も、同様の判断がなされる可能性が高いと思われます。

 

なお、分与する財産が不動産等の資産の場合、分与する側に譲渡所得税が課税されることがありますので注意が必要です。

 

その他の離婚の解説は

👉離婚

オールワンへの
お問い合わせ・ご相談予約