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親権者指定の一般的な基準
民法では、親権者について「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。」と規定するだけで、親権者指定の基準についての規定はありません。
(民法819条1項)
親権者を変更する場合について「子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる」という規定がありますが、「子の利益のため必要があると認めるとき」が具体的にどのような状況を指すのか分かりません。
(同条6項)
この点について、一般的には、
父母双方の事情として、監護に関する意欲や能力、健康状態、経済的・精神的家庭環境、住居や教育環境、実家の資産や支援の可能性、
子の事情として、年齢、性別、兄弟姉妹の関係、心身の発育状況、学校等の環境への適応状況、
などが考慮されます。
親権者指定で考慮される事情
1 現状尊重(継続性の原則)
子に対する監護親からのDVが認められるといった事情がない限り、現に監護を続けているものが監護を継続するべきといわれます。
子の健全な成長のためには親との不断の結びつきが重要であり、監護親の変更は子に心理的不安定をもたらすためと説明されます。
2 母親優先
特に乳幼児期の子については、特段の事情がない限り母親の監護が優先されるべきという原則です。
3 兄弟姉妹不分離
兄弟姉妹は可能な限り同じ親によって監護されるべきという原則です。
4 子の意思の尊重
子が15歳以上の場合、親権者の指定の手続では子の陳述が聴取されます。
ただし、子が15歳未満の場合も、意思能力のある子については、その意思を尊重すべきとされています。
親権者の決定については、以上4つの事業が考慮されますが、実務感覚では特に1現状尊重と、2母親優先が重視されていると思われます。
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