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養育費回収代行サービスとは

 

最近、ネットで養育費関連の検索をかけると、「株式会社 小さな一歩」という会社による「養育費あんしん受取りサービス」の広告がよく表示されるようになりました。

 

取締役の一人にあの前澤友作さんも名を連ねている会社です。

サービスの要旨は、養育費の支払義務者と権利者の間に同社が入り、権利者が安心して養育費を受取れるようにするものです。

 

同社によるサービス利用のメリットには次のようなものが挙げられています。

 

①養育費の支払保証

義務者の支払が遅れても同社が立替払を行う。但し義務者の状況で支払を停止することもある。

②手続は全てスマホで可能

③義務者とへの連絡・交渉・面談は不要

④弁護士費用ゼロ

⑤書面作成費用ゼロ

⑥市区町村の助成あり

 

弁護士に依頼した場合の比較

 

①養育費の支払保証

弁護士に依頼した場合、支払保証はありません。

養育費の支払に関する調停調書や執行認諾文言付公正証書がある場合、強制執行を依頼できます。

 

もっとも、同社のサービスを利用した場合も、弁護士に依頼した場合も、義務者に資力がなければ最終的には養育費は受け取れなくなります。

 

②手続は全てスマホで可能

 

弁護士に依頼した場合、委任契約書を作成するため手続を全てスマホで済ませることは困難です。

もっとも、テレワーク推進のため、内閣府等が「特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない。」としたため、今後は弁護士との契約もスマホでできる可能性があります。

押印についてのQ&A

 

③義務者とへの連絡・交渉・面談は不要

 

弁護士に依頼しても依頼者が相手と連絡をしたり、交渉・面談をする必要はありません。

 

④弁護士費用ゼロ

⑤書面作成費用ゼロ

 

弁護士に依頼すると弁護士費用が必要です。

同社サービスを利用すると、保証料名目の利用料が必要です。

 

費用を比較すると、

 

弁護士(当事務所)に依頼した場合、離婚調停等の着手金とは別に、養育費の請求について5万円をご請求しています。

また、支払われた養育費の16%をその都度、報酬としてご請求します(上限は養育費の2年分)。

 

同社に支払う保証料は、毎月払でその15%、1年分一括払いで25%となります。

初期費用はかかりませんが(そもそも同社に離婚調停等を依頼することはできません)、養育費が支払われ続ける限り保証料を支払う必要があります。

(弁護士のように2年分という上限がありません)

 

弁護士に依頼すると離婚調停等の着手金が必要となるため一概には言えませんが、長期にわたって養育費を受取る場合や、1年分一括払いで受取る場合は、同社のサービスを利用する方が割高となる可能性があります。

 

⑥市区町村の助成あり

 

弁護士に依頼しても市区町村の助成はありません。

法テラス(日本司法支援センター)を利用することで、無料法律相談や、弁護士費用の立替払を受けることができます。

(法テラスの利用には収入要件等があります)

 

養育費回収代行サービスを利用すると市区町村によっては助成がありますが、その多くは初回の保証料限りとなっています。

 

まとめ

 

養育費回収代行サービスは、スマホでも申し込みができる等、養育費支払請求に対する権利者のハードルを引き下げ、結果としてこれまで泣き寝入りしていたシングルマザーを救済しうる素晴らしいサービスだと思います。

 

もっとも、同サービスを利用できるのは離婚後であり、これから離婚と養育費請求を検討している人はやはり弁護士に依頼する必要があると思われます。

 

また、養育費を長期にわたって受取る場合や、1年分一括で受取る場合の保証料の総額についても注意が必要です。

 

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