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特別寄与料とは
特別寄与料とは、被相続人に対して無償で療養看護等を行ったことにより、被相続人の財産の維持又は増加に特別な寄与をした被相続人の親族が、その貢献の度合いに応じて、相続人に対して特別寄与料の請求ができるという制度です。
民法1050条1項
被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭の支払を請求することができる。
従来、被相続人に対して療養看護等を行ったことで、被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与をした相続人がいる場合、当該相続人は、相続財産から寄与分相当の財産を別に受けることができました。
(民法904条の2)
しかし、寄与分の請求ができるのは「相続人」であり、被相続人の長男の嫁が義父の療養看護に尽くしても寄与分の請求ができませんでした。
今回の民法改正により、被相続人に対して無償で療養看護を行い、被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与をした被相続人の「親族」は、特別寄与料の請求ができるようになりました。
なお、特別寄与料の請求期限は、当別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月、又は相続開始の時から1年以内とされています。
(民法1050条2項但書)
特別寄与料の請求があった場合の相続税の申告
特別寄与料の請求があったが、相続税の申告期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内)までにその金額等が確定しない場合、相続人等は、特別寄与料の請求がなかったものとして相続税の申告を行います。
その後、特別寄与料の金額が確定した場合、特別寄与者は、「修正申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。とされています。
(相続税法31条2項)
この点、遺留分侵害額請求によって侵害額相当の金銭を取得した者については「修正申告書を提出することができる。」と異なるため注意が必要です。
(相続税法31条1項)
なお、被相続人の長男の嫁は、被相続人の配偶者又は一親等の血族に該当しないため、相続税の2割加算の対象となります。
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