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1 子の引渡しの家事審判申立

 

子の引渡し請求は、子の監護に関する処分として家庭裁判所に家事審判の申立ができます。

(家事事件手続法別表2の3)

 

審判を申立てるのは子の住所地を管轄する家庭裁判所です。

(家事事件手続法150条4号)

子の引渡し請求は、家事調停によっても行うことができますが、子を連れ去った相手と円満な話し合いをすることは困難であることから、審判を申立てることが一般的です。

 

2 審判前の保全処分の申立

 

離婚相手が外国人で、そのまま放置すると子を国外に連れ出す可能性がある等、子に差し迫った危険がある場合で、現状を放置したのでは審判による解決が困難となる事情がある場合、併せて、子の引渡しを命ずる審判前の保全処分申立をすることもできます。

(家事事件手続法157条1項3号)

 

3 子の引渡しの強制執行

 

家庭裁判所で子の引渡しを命ずる審判や保全処分が出ても相手が従わない場合は、民事執行法による直接強制を検討することになります。

 

具体的には、執行官と一緒に相手のところに行って強制的に子を連れてくることになります。

子の引渡しに直接強制が認めれるか否かは、子の年齢が重視され、意思能力が備わる小学校低学年程度の子であれば過去の直接強制を認めた複数の事例があります。

 

過去の裁判例では、7歳9か月の子に対する強制執行は違法ではないと判断されています。

 

なお子の連れ戻しにかかる直接強制では、子が自由意思で執行に反対したり、相手が子を抱えて離さないなどした場合は、執行不能として処理されることになります。

 

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