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最高裁の司法研修所は、養育費について、現在よりも受取額が増加する新たな算定基準を12月23日に公表すると発表しました。

 

現在の養育費簡易算定表は、平成15年(2003年)4月に東京と大阪の裁判官らで構成する「東京・大阪養育費等研究会」が判例タイムズに発表したものが使用されています。

 

しかし、簡易算定表に基づいた場合、養育費の金額が低いため、母親が権利者の場合、母子家庭の貧困の原因の一つと非難されてきました。

 

日弁連も「養育費・婚姻費用の新しい簡易な算定方式・算定表に関する提言」(2016年)において、

 

「事案によっては養育費等が義務者の生活水準と比較して著しく低く算 定されて、別居世帯やひとり親家庭の貧困の固定につながる一因となっている との指摘もされ,殊に,権利者が女性である場合には女性労働者の賃金の低さ とも相まって,深刻な社会問題となっている。」

 

と指摘しています。

 

新たな算定基準では、税制や教育費、生活保護費の基礎となる「最低生活費」の変化が反映される見通しです。

 

しかし、現在、未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合、その半数以上で養育費の取決めがなされていません。

 

また養育費の取決めをした場合も、実際に養育費を受取っているのは3割程度といわれています。

 

したがって、算定表の基準をいくら上げても、そもそも支払い能力がない義務者から養育費を受取ることができるのかは別の問題です。

 

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