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法律上の離婚原因

 

法律上の離婚原因を規定する民法770条の条文は次のとおりです。

 

第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1 配偶者に不貞な行為があったとき。
2 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 

このうち、離婚に関する紛争で問題となることが多いのが、1不貞行為と、5その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき、という要件です。

法律上の離婚原因である「不貞行為」とは

 

今回は1不貞行為について解説したいと思います。

 

同条の不貞行為とは、配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を持つことをいいます。

 

したがって、夫が強姦をした場合、妻が売春をした場合についても不貞行為にあたるといわれています。

 

他方、同性愛については、本条項ではなく、5その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき、に該当するのかにおいて判断されています。

 

もっとも、1度でも配偶者以外の者と性交渉を持つと裁判上の離婚が認めらるのか、についてはケースバイケースで判断されています。

 

過去の裁判例では、夫が妻以外の女性と2か月にわたり性的交渉を持ったケースで、期間が短く一時的な気の迷いであるとして本条項での離婚は認めなかったものがあります。
(名古屋地判26年6月27日下民2巻6号824頁)

 

上記事案では、最終的に夫の妻に対する態度等が「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたるとして、離婚自体は認められました。
さらには、上記裁判例は昭和26年のものであり、現在同様の事案で、裁判所が同じ判断をするのかは疑問です。
なお実際の訴訟では、不貞行為の立証が困難なこともあり、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」につても同時に主張されることが一般的です。
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