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生前三点契約書
ひと昔前、相続対策といえば本人が亡くなった後に起こる問題に備えるというのが中心でした。
しかし、人生100年時代、生前に起こりうる問題に備えることの重要性が認識されるようになりました。
そこで今回は生前に起こりうる問題への備えとして生前三点契約書をご紹介します。
まず、加齢や傷病により身体能力が低下した場合に備える工夫。
財産管理等の委任契約書
身体能力が低下して寝たきりになると、金融機関に出かけて年金を受け取ったり、支払いを済ませたりといったことができなくなります。
最近では金融機関でもネット決済が一般的になってきましたが、一般的な高齢者では対応が難しいことが少なくありません。
こうした事態に備えて作成しておきたいのが「財産管理等の委任契約書」です。
頭がしっかりしているのであれば、本人の依頼に基づいて諸手続を代わりに行ってくれる人がいてくれると助かります。
それでも、諸手続の依頼を口約束でお願いするのでは不安が残ります。
また、その都度委任状を作成するのもなかなか大変です。
そこで、信頼できる人との間で「財産管理等の委任契約書」という包括的な委任契約書を作成することで、財産管理のお手伝いをしてもらうことができるようになります。
任意後見契約
判断能力(認知機能)が低下すると、本人が適切な財産管理を行うことが困難になります。
そこで、こうした事態に備えて信頼できる人との間で任意後見契約を結んでおきます。
本人の判断能力低下後の代理人による財産管理については、家族などの申立により家庭裁判所が成年後見人を選任する法定後見制度もあります。
ただ、成年後見人は家庭裁判所が選任するため、本人にしてみれば誰が成年後見人に選任されるのか分かりません。
因みに、家庭裁判所で選任される成年後見人の7割以上が弁護士や司法書士といった専門職後見人です。
そこで信頼できる人(例えば子ども)その間で予め任意後見契約を結んでおいて、万一、判断能力が低下した際は、本人が選んだ人に財産管理をお任せできるようにしておけば安心です。
任意後見契約は公正証書で作成する必要があります。
費用は、
[公証役場の手数料]
1万1000円
証書の枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚を超えるときは、超える1枚ごとに250円が加算されます。
[法務局の印紙代]
2600円
[法務局への登記嘱託料]
1400円
[書留郵便料]
約540円
[正本謄本の作成手数料]
1枚250円×枚数
以上となります。
尊厳死宣言書
事故や病気で脳死状態になったらどうすればいいのか。
個人の価値観が全面的に出てくる問題ですが、仮にそうした状態になったら過度の延命措置は不要と考えるのであれば尊厳死宣言書を作成しておきます。
尊厳死宣言書の内容は、
①尊厳死を希望する意思表明、
②尊厳死を望む理由、
③家族の了解をえていること、
④医療関係者に対する免責、
⑤尊厳死宣言書が心身に故障がない状態で作成されたことの表明、
となっています。
。
尊厳死宣言書の具体的な作成方法については、一般財団法人日本尊厳死協会のホームページに詳しく紹介されています。
https://www.songenshi-kyokai.com/living_will.html
また、尊厳死宣言公正証書については、日本公証人連合会のホームページに紹介されています。
http://www.koshonin.gr.jp/business/b06
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