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自筆証書遺言の作成要件の緩和

 

これまで自筆証書遺言は遺言全文、日付、遺言作成者の名前を自書した上で、押印をする必要がありました。

 

しかし、高齢者の中には身体能力の低下や病気の影響で遺言全文を自書することが困難な人もいます。

 

遺言が自書できない人が、それでも遺言を作成しようとすると、公正証書遺言の作成を検討することになります。

 

しかし、公正証書遺言は公証人役場で手数料を払って作ってもらうため、やはり手間と手数料支払をきらって遺言作成を断念する人も少なくありませんでした。

 

今回の相続法改正で、自筆証書遺言の目録部分の自書は不要となりましたが、なお遺言本文は自書が必要です。

 

したがって、今回の法改正により元々書こうと思えば自筆証書遺言を全文自書する能力があった人については、その遺言作成の労力が軽減されることになります。

 

自筆証書遺言の作成要件が緩和されても公正証書遺言を勧める理由

 

病気や加齢で遺言を自書することができない人の多くは、やはり今回の法改正でも自筆証書遺言を作成することは困難なままです。

 

どうしての遺言を自書することができない人は、今後も公正証書遺言の作成を検討することになります。

 

それでは、公正証書遺言を作成するときに、いくらくらい手数料が必要となるのでしょうか?

実は、公正証書遺言の作成手数料は実はそれほど高くありません。

 

日本公証人連合会のホームページによれば、公正証書遺言作成の費用は、遺言の目的の財産の価額ごとに次のように定められています。

左の欄が目的の価額、右の欄が手数料です。

 

 

【目的の価額】           【手数料】

100万円以下             5000円

100万円超200万円以下       7000円

200万円超500万円以下      11000円

500万円超1000万円以下     17000円

1000万円超3000万円以下    23000円

3000万円超5000万円以下    29000円

5000万円超1億円以下       43000円

(以下省略)

遺言は相続人、受遺者ごとの法律行為のため、相続人、受遺者ごとに手数料を計算してそれを合算する必要があります。

 

相続法の改正で自筆証書遺言は作りやすくなりましたが、それでも遺言の自書が難しい人は、公正証書遺言の作成がお勧めです。

 

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