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【「やりすぎ」相続対策が子を貧乏にする】

2014年 押田吉真 幻冬舎メディアコンサルティング

 

著者は相続税を得意とする税理士。

本書では、巷ではやりの相続対策を「やりすぎ」ると、資産を守るどころか、かえって資産を食いつぶすことになる事例が紹介されている。

まずは、相続税対策としてのアパート・マンション建設。

確かにアパートやマンションを建築することで、相続財産の評価を圧縮することができ、相続税の節税につながることがある。

しかし、一方でアパートやマンションに空室が出ると、節約した相続税以上の損失を被ることもある。

次に、養子縁組。

養子縁組をすると、実施がいる場合は1人、いない場合は2人まで相続税の基礎控除の枠を広げて使うことができる。

しかし、一方で養子がいない時と比べて相続分が少なくなる相続人から不満が出るなど、養子縁組が原因で親族関係がぎくしゃくすることも少なくない。

最後に遺言書。

素人が中途半端な知識で自筆証書遺言を残すと、その遺言書が原因で相続トラブルが生じることもある。

結論として、相続対策は必要だが、やりすぎはよくない。

どの程度の相続対策を実施するのかは専門家に相談した上で、家族でよく相談してから決めるべきである。

以上、なかなか参考になる本だった。

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