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相続に関する法律相談で

「〇〇にだけは財産を残したくない!」

「何か方法はありませんか?」

という法律相談がよくあります(本当に)。

 

アイツは親の面倒を見なかった、昔から親に迷惑ばかりかけている・・・

そんなこんなの理由で、〇〇には一文たりとも財産を渡したくない。

 

しかし、〇〇には遺留分という権利があることを最近知った。

何とかならないか、という相談です。

 

その推定相続人が何もいらないといっているのであれば話は遺留分放棄が検討できます。

最低限の相続分を確保する権利である遺留分は、遺留分権者(推定相続人)が相続開始前に放棄することができます。

 

この遺留分放棄については、

① 遺留分権者が家庭裁判所に出向いて申立をする必要があること

② その際には代償性(代わりにどのようなことをしてもらったのか)等が審判されること

③ 遺留分放棄は相続分の放棄ではないので必ず遺言を作成すること

などに注意する必要がります。

 

被相続人を虐待したりすれば、虐待した者を法定相続人から「廃除」することも検討できます。

 

ただ、一般的にいって廃除のハードルは相当高いと言わざるを得ません。

一時暴力を振るわれた、暴言を吐かれた、といった理由では廃除は認められません。

 

更には、廃除は代襲原因となるため、被廃除者の相続人が財産を受け取ることになります。

これは、廃除を申立てる者の希望とは異なるでしょう。

 

あと考えられるのは、全財産を財産を残したい者を受取人に指定した生命保険に変え、その上で相続開始後、当該受取人が相続放棄をするといった手段です。

 

一部の相続人が受取る生命保険金は、原則として特別受益に該当しないが、他の相続人との不平等が著しいと特別受益として相続財産に持ち戻されるとの最高裁判例があります。

 

しかし、民法903条の特別受益は「相続人」について問題になるものです。

相続放棄をすると、初めから相続人とならなかったことなるため、法文上はこの問題を解決できます。

 

しかし、全財産を生命保険にするというところにこの対策はムリがあります。

 

あとは養子縁組をして法定相続人を増やし、その上で財産を遺したくない人の遺留分を小さくするといった対策くらいでしょうか。

 

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