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【医療訴訟Q&A 医療の法律相談】
弁護士 平沼直人 2012年 労災保険情報センター
弁護士にとっての医療訴訟。
正直気が重くなる分野である。
患者側の場合、当然ながら傷害を負った本人や亡くなった患者の遺族が依頼者となる。
弁護士は依頼者に感情移入しないのが原則であるが、依頼者側の代理人を務めることが多い友人の弁護士から話を聞くと、しんどいと感じることが多いという。
当事務所は医療法人などの顧問先があるので、医療者側からの相談が多い。
幸い今までのところ患者が死亡して医療訴訟に発展したケースはない。
ただ、患者との間のトラブルに関する相談は少なくない。
モンスターペイシェントという言葉が一般的になってきたように、患者側の権利意識の高まりにつれて「物言う患者」が急増している。
むろん、必要なことは医療機関や医師にしっかりと伝えるべきである。
しかし、最近は医療機関や医師の揚げ足を取ったり、些末なことで延々とクレームを言う患者も少なくない。
医療機関で手に負えないと我々顧問弁護士の出番となるのだが、まあ正直言ってあまりやりたい仕事ではない。
本書では、そうした患者とのトラブルから始まり、医療訴訟全般の流れやポイントが分かりやすく紹介されている。
平沼先生のお人柄が分かるような親しみやすい文章にも好感が持てる。
医療機関を顧問先に持つ弁護士なら読んで損はない一冊だと思う。
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