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【Q&Aでよくわかる 中小企業のためのM&Aの教科書】
篠田康人 2016年 総合法令出版
サントリーによるアメリカのビーム社買収、ソフトバンクによる同スプリント社の買収など、巨額の資金が動くM&Aは大きく報道され、注目をあびる。
一方、中小企業においても、最近はM&Aが盛んになってきている。
その一番大きな理由は、後継者の不足ではないだろうか。
少子化といわれて久しいが、そもそも家業・社業を継ぐべき子供がいない。
子供がいても、家業・社業を継いでくれるとは限らない。
一概には言えないが、社長の子供は高い教育を受けた後、一流企業に勤めていることも少なくない。
そうした地位を捨てて家業に戻ることができるのか。
金融機関に対する個人保証の問題なども考えると、本人はともかく、家族の理解が得られないケースが少なくないのではないか。
一方、会社が高い技術力や優良な顧客を保有している場合、廃業・清算はもったいない。
なにより従業員の生活がある。
そこでM&Aである。
本書は、特別な知識がない者が読んでも、M&Aの仕組みや進め方が理解できるように分かりやすく書かれている。
分かりやすいだけではなく、M&Aを成功させる上で何が大事なのかといった勘所についてもしっかりとに説明されている。
この手の書籍は、途中から著者や著者の会社の宣伝が延々と続くことが少なくないが、本書では最後まで丁寧にM&Aの解説がなされている。
M&Aを検討している会社経営者が読んで損はない一冊だと思う。
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