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【三代、100年潰れない会社のルール 超長寿の秘訣はファミリービジネス】
後藤俊夫 2009年 プレジデント社
本書では、創業から100年、200年と営みを続ける企業の長寿の秘訣をファミリービジネスという切り口で紹介している。
ファミリービジネス。
日本風に言うと同族会社、オーナー会社であろうか。
同族会社というと日本では、ワンマン社長、公私混同、風通しの悪さ、不平等な人事制度など、ネガティブな印象が強い。
本書では、こうした負の部分を認めたうえで、それでもなお企業が世代を超えて生き残るにはファミリービジネスの方が優れているとしている。
著者の研究によると、長寿企業の数は日本が世界一であるという。
その原因として、企業内部に各種マネージメントや危機管理システムが蓄積されいること、市場の長期拡大、家業継続発展を目指す強い意志の存在が挙げられている。
このうち、ファミリービジネスと大いに関連するのが家業継続発展を目指す強い意志の存在、すなわち家訓であろう。
ファミリー憲章ともいわれる家訓は、長寿企業では必ずと言っていいほど存在している。
そこには末永く商売を続けるための秘訣が記され、これを子々孫々の者が守ることで家業が永続する。
一部の研究者からは、社会貢献をその内容の中心とする家訓が、ファミリービジネスを優位性の要因とは考えられないと指摘されている。
しかし、社会に貢献することで巡り巡って利益が還元されるとのも考えられる。
いずれにせよ、初めて手にしたファミリービジネスの研究書である本書、大変興味深い内容である。
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