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【中小企業のためのM&A戦略 損をしないための会社売却の教科書】
江野澤哲也 2016年 ビジネス社
主としてアドバイザーをどのように選ぶのか、といった観点から書かれたM&Aの解説書。
中小企業のM&Aでは、売り手と買い手双方とアドバイザリー契約を締結して業務を進める仲介方式が多いといわれる。
本書では、そうした仲介方式の問題点を提起し、売り手が複数の買い手と交渉を進めるオークション方式(著者によればドット取引)のメリットが紹介されている。
確かに、仲介方式では必ずしも中立公正な業務をアドバイザーに求めることは困難である。
本書でも指摘されているが、アドバイザーが何度も契約する可能性があるのは、売ったらそれっきりとなる売り手ではなく、M&Aで業務拡大を図ろうとする買い手の可能性が高い。
とすれば、アドバイザーも上得意となりえる買い手目線でM&Aを進めることになりかねない。
本書では、こうしたオークション方式でのアドバイザー契約のメリットのほか、M&A業務で起こりうる様々な問題とその解決策が紹介されている。
全体に表現が平易で分かりやすく、読んで参考となった一冊である。
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