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【リーガルクリニック・ハンドブック 法律相談効率化のための論点チェック】

丸の内ソレイユ法律事務所 2012年 ぎょうせい

 

司法修習生のころ、同期の修習生で法律相談が怖いという者がいた。

理由を尋ねると、何を聞かれるのか分からないので、知らないことを聞かれたらと思うと心配になる、とのこと。

その時は、そんなことでよく弁護士になりたいと思うものだと思った。

 

ただ、実際に弁護士になってみて、別の意味で法律相談は大変だと思うようになった。

まずは、相談者が何の相談に来たのかを把握するのが大変である。

中には問題の内容を時系列で整理し、聞きたいことを箇条書きにしたペーパーを持参する人もいるが、稀である。

多くの人が思いついたことを、思いついた順番で話す。

 

法テラスや弁護士会などでは、法律相談票に相談内容を事前に記入してもらうが、「相続」や「離婚」としか書かない人も少なくない。

法テラス、弁護士会とも法律相談は30分程度。

相談者の話ばかり聞いていると法律相談ではなく茶話会になってしまう。

したがって、弁護士は自分の話ばかりしたがる相談者から要点を聴取し、法律の素人である相談者が分かる言葉で解決方法を助言する必要がある。

それが30分。

それなりに大変である。

 

本書は、この結構大変な法律相談をいかに効率的に行っていくのか、そのヒントが紹介されている。

やはり本になるだけあり、参考になるアイデアが多数紹介されている。

弁護士なら一読する価値のある一冊である。

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