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【林原家 同族経営への警鐘】 林原健 2014年 日経BP社
最近、ある顧客からファミリービジネスについて相談を受けることがあった。
ファミリービジネス。
日本では同族会社やオーナー会社と呼ばれる事業形態である。
相談というのは、欧米では憲章などを策定するなどファミリービジネスを継続させるための様々な工夫がなされているが、日本ではどのような方策が考えられるのか。
同族会社の事業承継対策は専門でも憲章云々を考えたことはこれまでなかった。
そこで改めてファミリービジネスについて勉強してみようと手に取ったのが本書。
前置きが長くなったが、本書はタイトルにあるように岡山の林原が会社更生法の適用を受けるまでを社長だった著者が記したものである。
林原といえばインターフェロン、トレハロースなどを世に送り出し2011年に同法の適用を受けるまでは地方の超優良企業として認知されていた。
本書では、ファミリービジネスとしての林原がなぜ破たんすることになったのかが著者の視点で分析、紹介されている。
本書を読み、改めて林原健という人なくして林原のあれだけの成功はなかったのだろうと思う。
惜しむらくは、著者が本書で述べているように、実弟で専務の靖氏とコミュニケーションを取り、会社の財務内容をもう少し把握しておいた方がよかったのかもしれない。
いずれにせよこれだけのことを成し遂げた立志伝中の人物。
またどこかで氏の名前を目にすることなるかもしれない。
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