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【相続はつらいよ】 板倉京 2016年 光文社知恵の森文庫

 

サブタイトルが「モメるケースから考える相続対策」となっていたので手に取ってみた。

寅さん好きとしても手に取らざるを得ない。

 

著者の板倉京氏は税理士であり、開業女性税理士で組織された㈱ウーマンタックスの社長。

本書の紹介文によると、「「相続問題など、家庭やお金の問題には女性の視点が役に立つ」との思いから相続を中心に個人の資産に関する業務に力を注いでいる」とのこと。

 

本書では、サブタイトルにあるように様々な相続に関するトラブルを紹介し、被相続人やその家族が予めどのような準備をすれば、そうしたトラブルを避けることができたのか、が論じられている。

文章がシンプルで、様々な相続に関する法律や税務が非常に分かりやすい言葉で紹介されている。

税理士先生なので相続税の圧縮や納税資金の確保といった対策はもちろんであるが、遺産分割の対策についても丁寧に解説されている。

最近、たまたま不動産会社の代表者が相続対策に我田引水的に不動産の活用ばかりを紹介した本を何冊か読む機会があった。

この点、本書は相続対策の「バランス」も非常に優れていると思われる。

ここ1年で読んだ相続対策をテーマにした本では一番ではないか。

お勧めの一冊である。

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