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【開業医の相続対策は「奥様」がやりましょう】

芹澤貴美子 2016年 幻冬舎

 

ファイナンシャルプランナーである著者が、開業医、医療法人の相続対策について、院長夫人の役割の重要性を説いたのが本書。

 

目の前の仕事が忙しい院長ではなく、病院の財布の中身や、子供たちの家庭の事情をよく知り、細かな気配りもできる院長夫人が相続対策、事業(医業)承継対策の中心として活躍すべきと述べられている。

 

著者は、元大手生命保険会社に勤務していた経験を活かし、本書でも生命保険を活用した相続税対策、遺産分割対策が数多く紹介されている。

 

「遺産相続は「一つのケーキ」をみんなで分けるのと同じこと」

「生命保険は親から子への、命を懸けた「愛情のかたち」です」

「不満顔、悲しい顔をしている子どもはいませんか?」

 

など、遺産分割における問題の核心や、生命保険の性質が適当なたとえで的確に紹介されている。

 

特に感心したのが、日ごろから家族の間でコミュニケーションが取れているのであれば、相続にあたって遺言書は必要ないのではないか、という件。

相続対策を論じた書籍には、必ずといっていいほど遺言書の必要性が書かれている。

また自分も、弁護士として相続セミナーなどで、遺産分割対策における遺言の必要性を日ごろから説いているので、こうした見解は非常に新鮮だった。

 

タイトルに惹かれて何気なく手に取った本書だったが、非常に多くの気付きを与えてくれた。

相続に携わる弁護士や税理士が読んでも決して損しない一冊だと思う。

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