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【税務調査官の着眼力】薄井逸走 2015年 中央経済社

 

税務調査に関する書籍は、仕事の上で必要なためよく目を通す。

そうした書籍の大半は税理士や元国税調査官によって書かれているため、その立ち位置によって内容が分かれている。

税理士が書いたものであれば、税務調査をどのように乗り切るのか、といったことを論じるものが多い。

国税調査官が書いたものは、税務調査の実情や脱税の手口を具体的に紹介したものが多い。

本書は元国税調査官が書いたものだが、少し変わった構成となっている。

 

本書で扱われるのは交際費・寄付金・非課税交通費・外注費の処理、税務調査における現況調査・売上調査など37のテーマ。

全てに国税調査官と調査を受ける社長・経理部長が登場する構成になっている。

当然ながら国税調査官は少しでも税収を増やす方向で、社長や経理部長は納税を減らす方向で持論をぶつけあうことになる。

著者は、国税調査官、社長・経理部長いずれにもくみせず、それぞれの主張がどこまで認められるのか、長年の税務調査の経験を下にして解説する。

興味あるテーマ、登場人物たちの丁々発止のやりとり。

あっという間に読了してしまった。

本書のサブタイトルは「顧問税理士や社長にも教えてあげよう」。

まさに教えてあげる価値のある一冊だった。

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