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【遺留分減殺請求事件処理マニュアル】

編集者:野々山哲郎、仲隆、浦岡由美子(ともに弁護士)

執筆者:浦岡由美子、小松雅彦、佐々木好一、鈴木茂、仲隆、三ツ村英一、村松総一郎(ともに弁護士)

2016年 新日本法規

 

金融機関から相続セミナーの弁護士講師の依頼を受けることが多い。

相続セミナーのため、相続対策としての遺言書作成についても解説することになる。

こうしたセミナーが終わった後、受講者から時々あるのが、「○○には財産を一切残したくないので△△に全財産を遺すという遺言を作れば大丈夫か?」といった質問である。

 

答えは、○○が遺留分権者だとその遺留分を侵害することになるため、相続開始後に△△が○○から遺留分減殺請求を受ける可能性がある。

したがって、相続人に円満に相続手続をさせたいのであれば避けた方がいい、と説明することになる。

 

こうした説明をしてもなお、そうした遺言がつくれるのかと食い下がってくる受講者には、遺留分は権利であり、遺留分を侵害された遺留分権者が必ず遺留分減殺請求を行うわけではないと説明すると、やっと納得して会場を後にする。

遺留分に関する法的な説明は以上のとおりだが、できれば遺留分を侵害しない内容の遺言を作成した方がいい。

したがって、これから遺言を作成しようとする相談者や依頼者には、遺留分を侵害しない内容の遺言作成を助言することになる。

しかし、現に遺留分を侵害する遺言が出てきた後で相続人から相談を受けた場合は、遺留分減殺請求を検討せざるを得ない。

 

本書では、こうした遺留分減殺請求事件の円滑な処理を行うために必要なノウハウが紹介されている。

専門的な内容となっているが、弁護士や税理士は一読しても損はない一冊だと思う。

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