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【家族内ドロボー】長谷川裕雅 2014年 光文社新書

 

著者は、磯野家の相続を書いた長谷川弁護士。

突然であるが、遺産分割においてよく問題になるのが、被相続人の財産を同居していた相続人が使いこんだのではないかという話。

 

被相続人に無断で同居の相続人がその財産を費消した場合、その費消した財産は当該相続人の特別受益(民法903条)として遺産分割の時に調整することになる。

しかし、実際には被相続人と別に暮らしていた相続人が、同居していた相続人の使い込みを立証することは困難である。

特にお金は、銀行の口座から出てしまうと、誰が何に使ったのか、後になって調べるのは非常に困難である。

 

使い込みを主張する相続人から依頼を受けた弁護士は、裁判所の調査嘱託や弁護士法23条の2に規定される23条紹介を利用して被相続人名義の口座の過去の履歴を調査することになる。

この調査により出金の記録が確認できたとしても、その後のお金の流れを調べることは困難である。

多額の出金が確認できた時期に、使い込みが疑われる相続人が高額の買い物をした、あるいは口座に多額の入金があったといった事実が判明すればともかく、多くの場合うやむやに特別受益の問題はうやむやに終わってしまうことが多い。

 

なぜ家族間でこうした問題が起こるのか、どのような時に使い込みが発覚するのか、その対処法は、といった具合に、本書では、こうした家族間における財産の使い込み等の問題を全面的に取り上げられている。

私が知る限り、こうした問題を深堀した類書を知らない。

相続問題を扱うことの多い弁護士、あるいは税理士はぜひとも目を通しておいた方がいい一冊だと思う。

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