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【小さな会社の上手なたたみ方】

赤井勝治 2010年 ぱる出版

 

本書には、会社をたたんで廃業にする際の数々のノウハウが紹介されている。

日本の中小企業では、従来から社長の子弟へ事業を承継することが一般的であった。

しかしここにきて、後継者がいないためにM&AやMBO・EBO、はてはIPOという形で事業を第三者に承継するケースが増えてきている。

他方、業績不振で事業を廃止するケースもある。

 

本書では、専ら後者のケースを取り上げ、①事業を事実上廃止する場合、②任意整理により廃止する場合、③自己破産する場合、➃会社を売却する場合、➄会社を合併する場合、➅会社の事業を譲渡する場合、に分け、それぞれの進め方が紹介されている。

必ずしも法律や税制に詳しくない社長に向けて執筆されているので、そうした知識がなくとも理解できる内容になっている。

また、もっぱらこの手の解説書は法律と税制の解説に強弱があり、必ずしも一冊で法律と税制全般を網羅できないことが少なくないが、本書はこの点のバランスにもよく配慮された内容になっている。

事業が承継できず、廃業を考えざるを得ない際の最適な指南書の一冊である。

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