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【資産フライト「増税日本」から脱出する方法】 山田順 2011年 文春新書

 

今年の1月から相続税は課税価格6億円超で最高税率が55%になりました。

所得税の最高税率も45%、住民税の10%と合算すると同じく55%。

様々な控除を考慮しても、高所得者や富裕層は、所得や相続財産の半分が税金として国に持っていかれる事態になりました。

相続税には富の再分配機能があるという説明だけで、果たして築き上げた資産の半分を国が召し上げる合理的な説明となるのか、はなはだ疑問です。

 

そこで本書では、こうした国の方針に異を唱える富裕層が、ぞくぞくと資産を海外に移転させている現状が紹介されています。

事実、相続セミナーなどで海外の相続税制に関する質問を受ける機会が最近増えてきました。

不動産と異なり、金融資産は海外に持ち出すことが容易です。

そこで、目端の利く一部の富裕層は、オフショアで資産を運用するなどして資産をプロテクトするようになってきました。

 

本書では、相続税や所得税の増税がいかに愚策であるのか、なぜ日本という国が世界の趨勢に逆らって相続税等の増税を行うのか、著者の考えが述べられています。

相続税増税に関して所論ありますが、相続問題を扱う弁護士や税理士とって参考になる一冊だと思います。

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