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最近篠田屋の行列がまた長くなってきた。

いわずとしれた外国人観光客が戻ってきたせいである。

寺町通りにある天丼専門店の「まきの」なんていつ前を通りかかっても10人くらいの外国人観光客がたむろしている。

もう日本人が入れる店ではなくなった。

言い出すときりがないけど、昼間に新京極通りや寺町通りを歩いているのは8割がた外国人観光客である(はなし盛ってません)

なんでこんな蒸し暑い時期に京都にやってくるのか、ワケワカメである。

 

篠田屋の話に戻ると、たしかに篠田屋は元々人気のあるお店で、開店時間に合わせてお店に到着すると、すでに数人のお客さんが並んでいることも少なくなかった。

しかし最近は開店時間の行列の長さと、開店した後も続くお客さんの行列がハンパない。

この日も開店時間の10分前に到着して行列に並び、何とか一巡目でお店に入ることができた。

 

 

お店の中はタイル張りの床といい、煤ぼけた天井といい、ザ・ショーワの食堂そのもの。

当然ショーワ生まれのオレなんかは椅子に座っているだけでお店との一体感すら感じる。

観光客以外のお客さんはほとんど地元のリピーターと思われる。

料理は大きく分けてそば、うどんの麺類と丼物である。

そしてガイドブックを見てやってくる一見客のほとんどが注文するのが篠田屋名物の「皿盛」である。

平皿にご飯をもり、その上に薄いとトンカツをのせてカレーをかけ回したもの。

皿盛のカレーのルーは粘度が高くて、一口食べるとそば屋のカレーそのものだけど、食べ進めるとじわじわ辛さが感じられるようになる。

この辛ウマさとでもいうべき味わいには中毒性があり、オレなんか篠田屋にいくと皿盛しか頼まない。

このスパイシーな味わいは大阪のインディアンカレーに通じるものがある。

 

 

皿盛以外に地元のお客さんがよく注文しているのが中華そば。

篠田屋では料理は短冊に書かれて壁に貼り付けられているが、皿盛と中華そばは半紙に名前が書きだされていて特別扱い。

中華そばを注文する男性客のほとんどが大盛りを注文している。

ちなみに、中華そば600円、大盛は700円、皿盛は800円である。

オレなんかも次に篠田屋に行ったら必ず中華そばを注文しようと思うのだけど、けっきょく皿盛を注文してしまう。

中華そば以外にも「デラックス丼」や「とんかつ丼」など、篠田屋には頼んでいたい料理がたくさんある。

だけど、注文するのはいつも皿盛。

たぶん篠田屋の料理は皿盛しか知らないまま死んでいくんだと思う。きっと。

 

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