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前回に続いて、支払不能や債務超過の状態にあるにもかかわらず長期間にわたり破産申立をせず、破産申し立てをした場合、どのような問題が生じるのかご紹介します。
労働債権の立替払制度が利用できない
労働者健康福祉機構による未払賃金の立替払制度が利用できる労働者は、破産申立の前6か月前の日から2年以内に会社を退職した人です。
(賃金の支払の確保等に関する法律7条・同法施行令3条1項)。
したがって、労働者が会社から解雇された日から、破産申立までに6か月が経過すると、未払賃金の立替払制度が利用できなくなります。
帳簿類・債務者の財産などの散逸
債務超過に陥っている債務者が事業を継続する場合、目先の資金繰り等に手間を取られる結果として、帳簿類などが散逸、紛失する可能性があります。
また従業員が引き継ぎなく退職すると、会社の財産や売掛債権の管理ができなくなったりします。
その結果、破産財団を構成するはずであった債務者の財産が散逸、紛失ことになります。
なお、「業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと」は免責不許可事由とされています。
(破産法252条1項6号)。
以上のとおり、債務超過等にある債務者が破産申立までに時間を要すると様々な問題が生じえます。
もちろん、債務超過の状況にあっても経緯者の努力によって業績が持ち直し、破産を免れることも多々あります。
いずれにせよ、事業継続の是非を判断するため、経営者の方が時に外部の専門家等の意見を聴取することも有用であると思われます。
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