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面会交流を拒否することができるか
現在の家庭裁判所の一般的な運用は、面会交流原則実施、となっています。
しかし、面会交流原則実施の根拠としてあげられる、民法の規定が面会交流を親の権利として位置付けているとの主張については、最高裁判所の判例で具体的な権利でないことが確定されています。
次に、心理学や精神医学その他の人間科学において面会交流が子の利益になるとの主張についても、明確な学問的根拠が示されていません。
具体的には次のような場合に面会交流を拒否できるといわれています。
- 子を連れ去ったりする可能性がある場合
- 子を虐待する可能性がある場合
- 子が面会交流を拒否している場合
- 非監護親の言動により子に悪影響を与える可能性がある場合
- 非監護親から監護親に対してDVが行われる可能性がある場合
面会交流の約束が守られない場合の対処方法
離婚調停で面会交流の取り決めがなされた場合も、その後、実際に面会交流が行われないことがあります。
また、養育費の不払いを理由に子の監護親が面会交流を停止してしまうことがあります。
こうした場合、面会交流を行うためにどのような方法があるのでしょうか。
履行勧告
調停で定められた内容が実現しない場合、権利者(非監護親)が家庭裁判所に申し出ることによって、家庭裁判所が義務者(監護親)に履行を勧告することができます。
家庭裁判所は、権利者の申出により、調停事項や審判で定められた義務の履行状況を調査し、履行されていない場合は、義務者に履行を勧告します。
履行状況の調査は主として家庭裁判所調査官が行います。
申出は書面や口頭でもでき、費用は不要です。
間接強制
家庭裁判所が履行勧告を行っても義務者が面会交流に応じない場合、間接強制によって履行を促すことが考えられます。
間接強制とは、裁判所が、義務者に対して定められた義務を一定時期間までに履行することを命令し、命令に従わない場合は金銭の支払いを命じる制度です。
間接強制を行うためには、義務者の義務内容が特定されている必要があります。
義務内容が特定されていないと、裁判所がその履行を命じることができないためです。
したがって、相手方が面会交流に応じないことが心配される場合は、面会交流の内容を具体的に取り決めておく必要があります。
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