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財産分与ができる期間
財産分与請求権は、離婚後2年以内に請求をしないと消滅します(民法768条2項但書)。
この2年間は時効ではなく、除斥期間と解されています。
したがって、時効に認められている完成猶予(一定の期間時効が完成しないこと)や、催告による期間の延長はありません。
離婚時に財産分与がなされなかった元妻及び子名義の貯金債権について、元妻の死亡後に子が金融機関に対して、当該貯金債権を相続又は時効取得したとしてその払戻しを請求した事件で、裁判所は、すでに離婚から2年が経過しており、元夫が財産分与として元妻の貯金債権を請求することができないため、貯金債権は確定的に子に帰属しているとして、子の請求を認めました。
(東京地判平成20年12月26日)
除斥期間経過後に財産分与の合意が無効となった場合
離婚後2年以内に財産分与の合意はしたが、2年経過後にその合意が無効とされた場合に、改めて財産分与が請求できるのか問題となります。
財産分与契約の錯誤無効が認められた事例で裁判所は、本件の事情の下においては財産分与請求権を予め行使させることは期待できないこと等を理由に、時効停止に関する民法161条(注 改正前の天災等による時効の完成猶予の規定)を類推適用する余地があるとして、財産分与契約の錯誤無効が確定した後に行う協議に代わる処分の請求が、除斥期間の定めによって妨げられないと判断しました。
(東京高判平成3年3月14日)
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