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家庭裁判所の管轄
夫婦の離婚などを扱う家事調停の管轄(どこの家庭裁判所で調停を行うか)については、「家事調停事件は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する」
と規定されています(家事事件手続法245条1項)。
したがって、別居して実家に帰っている妻が、夫を相手方として離婚調停の申立てを行う場合、夫との間で別途の合意がなければ、夫の住所地を管轄する家庭裁判所に申立を行うことになります。
別居先が夫の住所地と離れている場合、妻は調停の都度夫の住所地を管轄する家庭裁判所に出向いて調停に臨むことになります。
なお離婚調停を含む家事調停では、本人出頭主義といって当事者本人が出頭する必要があり、やむをない事由があるときに代理人を出頭させることができます(家事事件手続法258条1項・51条2項)。
したがって妻が弁護士に依頼した場合も、妻は弁護士と一緒に出頭する必要があります。
テレビ会議システム
離婚調停の利用を容易にするため、家事事件手続法が改正され、現在では一定の場合に離婚調停でテレビ会議システムが利用できるようになりました。
家庭裁判所が相当と認めるときは,当事者の意見を聴いた上で,テレビ会議システムを利用して,離婚調停の期日における手続を行うことができます(家事事件手続法258条1項・54条)。
離婚調停でテレビ会議が利用できるか否かは、家庭裁判所が、当事者の具体的な事情や意向を聴取して判断することになります。
利用が認められると、遠方に住んでいる当事者は、近くにあるテレビ会議システムが設置された裁判所に出向いて調停手続に参加することになります。
テレビ会議システムを利用すれば、遠方にいる相手方に離婚調停を申立てることが容易になります。
もっとも、注意点もあります。
離婚(離縁も)についての調停は,テレビ会議システムの方法によって調停を成立させることはできません(家事事件手続法268条3項・277条2項)。
したがって、調停成立の際には、原則として当事者が家庭裁判所に出頭する必要があります。
それでもすべての期日に当事者の出頭が必要であったころと比べると当事者の利便性は格段に向上しています。
どうしても出頭できないといった事情がある場合は、裁判官が手続きに関与する[調停に代わる審判]によって調停を成立させることもあるようです。
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