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慰謝料の請求
配偶者の不貞行為を理由とする慰謝料の請求とは、法律的には、不貞行為という不法行為を理由とする損害賠償の請求のことです。
不法行為による損害賠償請求が認められるためには、①故意又は過失があること、②行為者に責任能力があること、③権利又は法律上保護される利益が侵害されたこと、④損害が発生したこと、⑤行為と損害の間に因果関係があること、が必要です(民法709条)。
原則として、損害賠償を請求する側が①~⑤までを主張・立証する必要があります。
このうち、不貞行為に拠る慰謝料請求で問題となることが多いのが、③権利または法律上保護される利益が侵害されたこと、に関する立証です。
配偶者の不貞行為を理由として慰謝料を請求する場合、配偶者が不貞行為を否定すると、慰謝料を請求する方が配偶者の不貞行為を立証して調停や訴訟を提起する必要があります。
配偶者の不貞行為の立証ができないと、訴訟では慰謝料の請求は認められません。
不貞行為の立証
慰謝料の請求をするため、不貞行為の証拠を収集する必要があります。
性交渉自体を撮影した写真やビデオがあれば直接証拠となりますが、そうした証拠が入手できることは普通あまり期待できません。
直接証拠が入手できない場合は、間接証拠(浮気の事実を間接的に推測させる証拠)を収集することになります。
配偶者と不貞行為の相手が一緒にホテルに入る写真、出てくる写真
利用しているホテルがシティホテルなどの場合は、ホテルで性交渉はしていないと反論される場合があります。
一方で、利用しているのがラブホテルだったり、ホテルを利用する頻度が高いケースなどは性交渉を推認させる有力な間接証拠になります。
ただ、こうした決定的写真を自分で撮ることは大変な労力を要するため(小さな子供がいると配偶者を尾行するのはほぼ無理)、興信所をりようすることになり費用がかさみます。
ホテルを利用した際のクレジットカードの利用明細や領収書は、入手できれば間接証拠となります。
ただ、浮気が発覚することを警戒して現金払にしていたり、領収書も破棄していることが多いので一般的に入手は困難です。
浮気相手からのプレゼント
プレゼントだけでは直ちに不貞行為を立証できませんが、他の証拠と合わせ技で不貞行為の証拠となる場合があります。
ただ、浮気をしている場合、交際相手からもらったプレゼントを自宅に持ち帰ることはせず、会社に保管していることも少なくありません。
実際にあった事件では、夫が通勤に使っている車のトランクにプレゼントを隠していて、休日に妻が偶然夫の車のトランクを開けて交際相手からもらったプレゼントを発見したことがありました。
SNS(LINE、Facebook)でのやりとり
LINEなどのやり取りは、内容や添付されている写真によっては有力な間接証拠になりえます。
ただし、浮気を始めるとスマホをロックして配偶者が勝手にLINE等を見れなくすることが大半です。
したがって、SNSのやり取りが不貞行為の証拠になるというより、スマホのロックによって配偶者が浮気に気が付くといったケースが多くなります。
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