解決事例
(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)
A子さんと初めてお会いしたのは法テラスの法律相談においてでした。
A子さん独身でしたが、数年前からパート先の飲食店で店長と務めるBさんと交際していました。
Bさんには妻子がいることをA子さんは知っていましたが、交際を始めてから半年ほどして、Bさんと肉体関係を持つようになったとのことでした。
その後は仕事が終わった後、二人で食事をしたり、ホテルを利用して性交渉を行うといったことが続きました。
またBさんは、妻に会社の研修と偽ってA子さんと宿泊を伴う旅行に行ったこともありました。
しかし、二人の関係を怪しんだパート先の従業員がBさんの妻に匿名で密告したことがきっかけとなり、とうとうBさんの妻は二人の不倫を知ることになりました。
妻はBさんを強くなじり、離婚を口にしたそうですが、子が小さかったこともあり、最後には離婚を思いとどまりました。
一方で妻は、A子さんを勤務先の飲食店に呼出し、他の従業員や客がいる前で今後Bさんとは一切付き合わないこと、慰謝料として300万円を支払うことを要求しました。
他の従業員や客がいたためA子さんは何も言えず、ただ「はい」と頷くしかできなかったそうです。
A子さんはそのまま飲食店を退職しましたが、しばらくすると妻が作成した内容証明郵便が自宅に届きました。
中身を見てみると、約束をした300万円を10日以内に支払わないと提訴すると書かれていました。
A子さんは300万円ものお金を準備することができず、また妻に対して慰謝料を支払うことを約束したわけではないといって相談に来られました。
A子さんから事件解決の依頼を受けた当事務所の弁護士が妻に連絡を取ると、妻はA子さんは間違いなく300万円の支払を約束した、その時の様子はICレコーダーで録音しているということでした。
妻に音声データを送ってもらうと、慰謝料の支払を何度も要求する女性の声と、しばらくして小さく「はい」と言う別の女性の声が録音されていました。
改めてA子さんにBさんとの交際について尋ねると、当初は妻子がいることを理由に拒んでいたA子さんに対して、Bさんはかなり強引に性交渉を求めたということでした。
その後も二人の関係をリードしていたのはBさんで、A子さんはいわばBさんの言いなりになって関係を続けていたということです。
もちろんA子さんの言い分はいくらか割り引いて聞く必要がありますが、不倫の原因を作ったのがBさんであればA子さんが強く非難されことはないといえます。
また、実際にもBさんと妻は離婚をしておらず、不倫がBさん夫婦の婚姻関係を破綻したとはいないはずです。
さらには、ICレコーダーの録音についても、他の従業員や客の前で罵倒されたA子さんがその場を逃れようとやむなく「はい」と言ったと考えられます。
そうであれば、慰謝料の支払についてA子さんの同意があったとはいえません。
妻にはこうした理由を述べた上で慰謝料の支払には応じられないと伝えたところ、妻は弁護士に依頼して訴訟を提起すると言ってきました。
しばらくすると弁護士ではなく妻自身から改めて、いくらだったら慰謝料を支払うのかと連絡をしてきました。
どのような経緯があったのか分かりませんが、弁護士に実際に相談をして300万円もの慰謝料を請求するのは難しいと言われたのかもしれません。
結局最後はA子さんと相談の上、妻には10万円を支払って本件を解決することになりました。
妻に10万円の支払を連絡したところ、最後は納得して10万円の支払で和解しました。
A子さんに最初に相談を受けてから和解まで約2か月でした。
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